東京国際学園高等部
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2003年3月
入学おめでとう〜青春、只今ing〜
学園長 荒井裕司

 3月7日。東京国際学園高等部の卒業式が終わった。

 30人近い来賓が口々に感想を伝えてくれた。
「素晴らしい卒業式で、また泣いてしまいました」
「あの感動を体感したくて卒業式に参加させてもらうんです。今こんな卒業式はどこにもないですよ」

という学校関係者もいた。

 他人をこんなにも感動させるのだから、子ども達とかかわり応援し続けてこられた保護者の皆さんは、きっと万感胸に迫る思いだったのだろうと思う。卒業式に届いた、多くの保護者の皆さんからの手紙の一部を紹介したい。

「”世界に一つだけの花”で堂々と入場してきた瞬間は、胸が熱くなり精一杯の拍手をさせていただきました。一人一人が我が子のようでいとおしく、『よく頑張ったね』と語りかけました。不登校を経験し、それを答辞にまとめた代表の生徒のスピーチも素晴らしいものでした。また”仰げば尊し”の歌には涙が止まらず、見渡すと周りもみな涙、涙でした。中学生の時、卒業式に出られなかった娘は式の当日、一人で緊張しながら”仰げば尊し”の曲をピアノで弾いていました。淋しげだった一人きりの卒業式と比べて、今日は仲間や先生たちと一緒に歌うことができて、どんなに晴れがましいことだったかと思います」

 先日テレビで、沖縄・石垣島の高校の卒業式風景が放映された。厳かに式が終わった後、生徒達はBEGINの歌う”島人(しまんちゅ)ぬ宝”に合わせて踊りだした。手を上げ、足を踏み出すステップで笑顔一杯で楽しそうだった。卒業して島を離れるほとんどの若者への「島を忘れるな、必ず帰ってこいよ」というメッセージだという。「必ず帰ってくるよ」といいながらほとんど帰って来ることのない若者たちは、止まらない涙を抑えながら歌い踊り続ける。

 最近、いろいろな学校の卒業式に出席する機会が多い。前述のような式とは程遠いものばかりだ。厳かな雰囲気は全くなく、私語と嬌声、ふざけた返事にドッとわく会場。儀礼的な式次第。大騒ぎの集団もある。最近取りざたされた、あの成人式のような式がほとんどだ。招待されて出席するこちらも気が重いし、席を立って帰りたくなることさえある。

A殿: 『あなたは早春の大地です。
残雪の下は生命力に満ちています。
やがて勇気の花を咲かせることでしょう』
B殿: 『あなたは飛行機雲です。
ふんわりとしながらも真っ直ぐです。
青空に白のアクセサリー。おしゃれです』
C殿: 『あなたは蛍です。
思いのままに明滅を繰り返しながら、ちゃっかり人の
心を捉えます。そして和ませます』
D殿: 『あなたは透き通った天然水です。
ウソやごまかしがなく、どこまでも透明です』

 …以上は、ある学校の卒業証書だ。一人一人その子の特長を捉えた、たった一つの証書といえる。この学校がどんなに子ども達を愛し育んだか、これだけでわかる。心が震えるようなメッセージに、涙と感動の渦だったことは、言うまでもない。

 子ども達の個性が多様化し、教育に求められるものが多くなっている。それだけに学校自体のシステムも問われ、教育活動も様変わりしている。しかしどんな状況になっても、子ども達の心に響く教育でなければならない。
卒業式という人生の大きな区切りに、いい加減なものは似合わないし、子ども達も望まないだろう。卒業式で、その学校の全てがわかるといっても過言ではない。

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