東京国際学園高等部
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2007年1・2月
春待つ思い。
学園長 荒井裕司
◆新年あけましておめでとうございます。本年も子どもたちの心により添い、精一杯の教育活動を行って参りたいと思います。皆様の御理解と御協力をお願い致します。

教職員一同

◆しめ縄づくり
  昨年の暮、あと2週間もすれば年の瀬という時期のこと。稲わらを持った子どもたちに会った。「そのワラ、何に使うの?」と尋ねると「しめ縄を作るんだって…」「ふ〜ん、しめ縄ね…。作ったことあるの?」「無いよそんなもの。でもやるって決まっているから仕方ないんだ」と気のりしない子どもたち。わらをくるくる廻しながら廊下から階段に消えていった。「どうなることやら…」それから3時間ほどたって帰ろうとしている彼らとバッタリ。手には、しめ縄が何本も握られている。「しめ縄どうだった?」「うん、おもしろかったよ。」「最初はイヤだったんだけどネ。ワラを左右からまき込んでねじっていくと、だんだん縄のようなものができて来て…。何で昔の人たちはこんなもの作ったんだろうか。そうだ、これはお正月に神棚や仏壇や台所やトイレやいろいろな所に飾るんだ。1年間の感謝や、来年も健康で幸せな年になるように…。って」「そんなことを考えながら作っているうちに、あ、そうだ、2週間後にはお正月が来るんだ。お正月はごちそうがでるし、みんなもニコニコして怒られることなんかない。お年玉だってもらえる。遊びもいっぱいできるし、テレビだって面白い。それを考えたら、何か急に楽しくなってきた。終わってみたら3本もしめ縄ができていた。昔の人もそういう思いを組み込んでいたんだろうなと思うと、いい体験だった。また来年もやりたい」。彼らはニコニコしながら玄関を後にしていった。

◆新年好!
 日本のお正月はとっくに終わった。もう立春さえも過ぎた。暦の上ではとっくに春になっているが、中国や台湾などの国のお正月はまだ来ていない。今年は特に遅く、2月18日が元旦にあたる。一度お正月の前後、台湾に滞在したことがあるが、その様子は日本とはかなり異なっている。1ヶ月前からあいさつは「新年快楽(新年おめでとう)」となり、夜ごと夜ごと会社や気の合った仲間や家族での忘年会が行われる。商戦もド派手だし、広告や景品などもすごいのだ。大みそかなどは一晩中爆竹がなり、大騒音で眠れなかったりした。最近は自粛ムードが高まってはいるものの、田舎では相変わらずだ。各家庭では、真っ赤な紙に「春」や「福」などと金色文字がかかれた縁起ものの紙がいたるところに飾られ、お正月を迎えるムードが高まっていく。これらの国も、お正月は春に近いこと、そして人生の中の大事な区切りとしてとらえている。家族一緒に過ごそうという思いは日本以上だ。どこの飛行場も鉄道の駅も超満員でふくれ上がる。家族の絆が強く、正月も故郷に帰る家族も大歓迎で迎えられる。

◆異常さはつづく。
 暖冬が続いている。地球の滅亡まで迫っているというショッキングな報告を聞き、世界中の人々は不安にさせられた。自己中心的な人間界への警鐘は鳴りつづけていく。
 アレルギーの猛威も増大の一途だ。花粉症も今年はもう襲いかかって来て、友人たちは早くも対応に追われている。食べ物のアレルギーも深刻だ。私の友人はアレルギーだというので、「何のアレルギー?」と尋ねると、「牛」という。びっくりした私は「牛って、あの牛?」と聞き返した。「そう、だから牛乳も、チーズも、牛肉もだめなんだ」。メインディッシュは牛肉というフルコースがあたり前だから、それだとメインがダメということになる。また私の甥は、強烈なソバアレルギーで、何度も病院に運ばれた。うどんを注文したのに、ゆで汁はそばも一緒だったことによる。その甥の長男は猫アレルギーだと聞いて、これにもびっくりした。見ている分にはいいが、触ったとたんにアレルギー反応が出てくる。これが「人間に対するアレルギー」となったら大変だ。そんな話を友人にしたら、今人間の髪に触れるだけでアレルギー反応を起こす人がいるという。絶句。食品添加物や農薬汚染、環境汚染。私たちは自らの命や健康を便利さとひきかえにした結果だ。安全はもう他人に任せられないとすれば、これも辛い話だ。

◆学びの豊かさ、心の豊かさ
 2月の半ばにワールドスクールネットワークが本校で開催された。パレスチナやイスラエル、そしてケニアに韓国の子どもたちがやって来て、交流会を開いた。日本の子どもたちも各地からやって来て、総勢120名。「環境問題を考え、それをビデオにまとめて発表する」という真剣さの伴うワークショップだ。肌の色も環境も異なる国々の子どもたちと触れあった生徒や卒業生。なかなか思うように気持ちが伝えられなかった場面もあったが、「楽しかったよ」といって帰る子どもたち。新しい世界が広がったにちがいない。学びを豊かにする方法はたくさんある。提供してくれるところもたくさんある。課題は、実践をしようとする勇気と続けていく努力で、「心の豊かさ」をどう作っていくかだ。
 それにつけても、この日120人分の食事を作って下さったPTAやOBの保護者の皆さんに心からお礼を申し上げます。

「雪なくて ちょっぴりうすい 春の色」  裕司


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