東京国際学園高等部
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2007年4月
春宵値千金
学園長 荒井裕司

◆新年度スタート。
 ご入学されました皆様、おめでとうございます。
また、在校生の皆さんご進級おめでとうございます。
東京国際学園は今年16年目を迎えました。15周年記念の様々なイベントが開催される予定です。元気で楽しい学校生活を送りましょう。

◆それぞれの入学式
<東京国際学園>
 今年も多くの仲間を迎え、私は例年通り「心の中にさくらの苗木を植えよう」「失敗を恐れず、前向きに勇気を持ってチャレンジしよう」とあいさつしました。PTA会長の「我が子の自立の道」の体験談が披露され、私も思わずジーン。入学生の保護者も涙、涙…。この学校に入学したことにきっと安心されたでしょう。
<翔和学園>
 小学校1年生が2人。中等部、高等部、大学部と入学生たちにも年齢の幅ができてきました。生徒たちが自主的に参加し、目標や歌が次々に発表されました。自分たちの成長のステップのための入学式でもあるとアピールしたのが印象的でした。更にみんなが輪になって歌いながら握手と拍手が続き、緊張感で一杯だった子どもたちが笑顔に変わっていきました。手作りのそして笑顔一杯の入学式。こんな楽しそうな入学式が他には無いと確信しました。
<さくら国際高校>
 春の嵐のような低気圧の去ったあと。澄んだ空気にあたたかい気候。グランドや校舎をとりまく桜の並木は、この日を待っていてくれたかのように満開。近くの保育園児たちにエスコートされ入学生が入場。50人の来賓は思わずニッコリ。校長が「TVや新聞、自分のまわりの人たちの言うことを疑うことをしてみよう、そうすることで自分を知り成長できるものだ」とあいさつ。私は、昨年春、当時3年生たちが「駒打ち」をしてくれた「椎茸」が大きくなって収穫できることを現物を手に披露。外で満開の桜も、この椎茸も、植えたり、作った本人たちはここにはもういない。その心意気や「人のために何かをする」という「大事な心」を育てて欲しいとあいさつ。最後は、地元地域の多くの人たちや教職員による“歓迎の儀式”に保護者や地域の人たちも涙、涙…。「地域一番、感動の入学式」「この学校の行事に来ることで心を洗います」等々の御礼の言葉が届いた。

◆名物先生。
 学園の近くの代々木小学校の校長に異動があって別な学校に栄転となった。この校長A先生には学園は大変お世話になった。私たちのような民間の学校の「勝手なお願い」を快く受け止めてくれ、自分たちの立場もかえりみず、様々な協力や実践をしてくれた。熱い校長の思いにいつも感謝しながら、このA先生から多くのことを学んだ。いうまでもなく私たちの学校の生徒たちは「すばらしい生徒」たちだ。「宝物のような子どもたち」だ。しかし、この激動の時代の波の中で「少し人を信頼できなかったり、人と関わる経験が少なかったり」「コミュニケーションを苦手とする」子ども達も多い。すばらしい素質や個性を持った子どもたちが、年代を越えた大人や子ども達と関わることで大きく成長するはずだ。そんな思いで「小学校にでかけて授業をさせてもらうこと」を提案した。だが交渉に行っても、「公立の学校でそんなことができる訳がないですよ」という返答。「うちの子どもたちを見て下さい!」と食い下がる。学園にきてくれた校長、教頭はびっくり。「すばらしい子どもたちだ」と。その後、学校に戻って反対する全職員を説得。「代々木小学校での本学園の子ども達の授業」はこうして生まれた。後日談だが、「教頭と2人で、清水の舞台から飛びおりよう。」と決意したと聞く。入学式、卒業式は、いつもアイデア一杯で、ユーモアいっぱいのあいさつ。理科の先生だけあって、手にはいつも「不思議な小道具」を持っていた。こんな先生が身近にいた。この先生こそが、名物先生といえるだろう。異動にあたり感謝をしながら紹介せずにはいられなかった。更なるご活躍を期待します。

◆本物を守りたい。
  認知症のすすむ92才の義母。家から出して桜を見せたいと思い吉野山へ行った。“桜行脚”を続けている私の長年の夢の吉野山でもあった。それにしてもこうした年老いた身内の介護に御苦労されている多くの人達のことを思い浮かべると頭が下がる。道中、80位の女性と娘に合流。ガン治療中だが、数日前に「体の各部位に転移」と伝えられた。「それでも桜が見たい」と参加したという。「大丈夫、大丈夫」と励ましながらの旅となった。途中寄った京都の平安神宮では、いまを盛りと咲き誇る「紅しだれ桜」に圧倒される。広い境内を帰る我々の前に、外国人やカメラマンの人だかり。「あぁ、舞子さん!」シャッターの中心には和服姿のあでやかな女性たち。しかし近づいてみるとこれが不思議。エヘラエヘラと緊張感の無い笑いとガニ股歩き。容姿は舞子だが、明らかにそれとは違う。あゝ、これが今はやりの貸衣装の「素人舞子さん」だ。そう思った私はカメラをしまう。だが、外国人たちは気がつかない。何ということか。「タバコを吸いながら歩く素人舞子」までいる。日本文化を代表するような京都の舞子さん。自由社会のこの時代。どんな格好をしようと誰にも文句はいえない。だが、「舞子変身願望」は、その店の中の撮影だけにして欲しい。それ以上はカンベンして欲しい。京都の桜も吉野の桜もかすむような「春宵の値(あたい)暴落」が私を襲っていた。

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