東京国際学園高等部
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2007年7,8月
まだまだチャレンジャー
学園長 荒井裕司

◆あきらめない力
 この7月、新潟県上越市の野球場で、「もう一つの甲子園」の出場をかけて代表戦が行われていた。優勝チームは、東京の神宮球場を中心とした、全国定通制軟式野球大会に出場できる。私達のチームは長野の「さくら国際」との混成チームだが部員は12、3人。メンバーはギリギリでケガでもしたら、試合さえできない状況だ。相手は新潟県の新潟翠江高校。今、全国的に多くなっている多部制の高校だ。相手にとって不足の無い力のある学校だ。試合は息づまる投手戦が続いた。特に相手チームの投手がすばらしく、打席から戻ってくる選手たちは、「球がものすごく速いし、変化球が鋭い!」と驚きの声をあげる。確かに上背もあり、体格もいい。プロのピッチャーのように見える。一回からノーヒットが続き三振の山ができた。昨年は延長戦に入り、貴重な先制点を挙げたあと、起死回生の逆転サヨナラ打に涙を飲んだことが頭をよぎる。自軍のピッチャーも好投しているだけに早目の得点が欲しい。しかし、相手は得点にこそつながらないが、ヒットは毎回のように打っている。流れは五分五分、勝利の女神はまだ、その行方を決めかねていた。とうとう最終回、相手投手はノーヒットを続ける中、緊張のせいか、最初の打者にデッドボール。ノーアウトのランナーは初めてだ。部長は、相手バッテリーのすきをつく盗塁を指示。ものの見事に決まって塁を進める。動揺した相手のミスを誘い、更には初ヒットも生まれて2点を先取した。その裏、同様に緊張したピッチャーは四球を与え、更にヒットが続いて一点を返され、ピンチを迎えたが、辛うじて後続を絶って、勝利を手中にした。ノーエラーで、大きな声を出し合い、キビキビとした試合運びの我々のチームに対しては観客席からも大きな拍手がわいた。「すばらしいチームだ」その拍手はそう語っていた。かくて、野球部は念願の全国大会に駒を進めることになった。昨年の涙の雪辱は見事に果した。最後の最後まであきらめずに食い下ったその気力は、見事な力に変わっていた。

◆ヤングアメリカンズ
 7月8日〜10日。アメリカから40数名の大学生を中心とする若者が学園にやって来た。国際交流を音楽やダンスを通じて行うという狙いで、今までも大きな役割を果したという。私の友人から紹介され、15周年の記念行事の一環をしてこの企画が学園で実施することになった。
全世界をまわって、それぞれの異文化を吸収し、自分たちの成長にもつなげるというものだが、このメンバーに選ばれること自体なかなか大変だという。長い歴史の中で育てて来た伝統はステイタスになっていて、それだけに、私達も異文化交流として期待は大きかった。ほぼ3日間で学園の子どもたちと心をつなぎ合わせて、最後には、ミュージカルを公演する。私達も最初は「そんなことができるのか」と半信半疑だったが、フタをあけてその見事さには敬服した。彼らの中にも、我々の学園の子どもたちとどう関わり、どう心をつなぎ合わせたらいいのかと大きな課題となっていたという。実際なかなか、子どもたちも会ったその日から心を開くことができなかったようだ。コミュニケーションをとることの苦手な子どもたちが多いのも実情だ。ヤングアメリカンズの若者たちも悩んだという。それがどうだ、最終日の青少年オリンピックセンターは、「奇蹟が起きた!」というほどにすばらしい舞台となった。観る我々が、その見事さ、すばらしさに、心の底から感動したのだから、舞台の上でやってのけた子どもたちは今まで経験したことのない、言葉には言い表せない喜びと感動を経験したのだろう。舞台を終えた子どもたちはその達成感でいつまでも会場に残っていた。その喜びをどう表していいのかわからず、会場を離れずにいた姿が全てを表していた。主催者側がそのお礼の言葉の中で涙でつまるシーンもあり、いかにこの公演が人々の心をとらえたかがわかる。
「真夏の夜の夢」のような歓喜のイベントは子どもたちの心の中に、大きな糧を残してくれたにちがいない。

◆今日より明日
 聖路加病院の理事長 日野原重明さんと二日ほど一緒に行動をする機会に恵まれた。現在95歳。「生き方上手」という本で全国的に有名になった医師だ。95歳を超えてなおエネルギッシュに仕事をされ、また全世界を諸講演でとびまわり、環境を守ることの大事さや命の尊さを訴え続けている。「私はやるべき大事な仕事がまだまだたくさんあるので少なくとも115歳までは元気でそれをやり続けるつもりです」と云われる。「今の自分には満足しない、いつも今日より明日、今月より来月、今年より来年と自らを成長させ続けること」それが最も大事なことと教えてもらった。近くにいて話をさせていただき生きるエネルギーと元気さを心いっぱいにいただいた。先生の言葉からすると、全国大会出場の野球部もサッカー部も、バトミントン部も、まだまだ満足することなくがんばらなければいけないようだ。ヤングアメリカンズで得た成長の糧も、もっともっと大きくしていかなければならないということになる。まだまだ若い私たちは常にチャレンジャーとして前向きにいきたいものだ。

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