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◆ある日曜日の朝
この6月の日曜日の朝のこと。私は環状7号線(通称環7)でスピード違反でつかまってしまった。「お急ぎでしたか?」「いえ、特に急いでいた訳ではないです」私は、ただびっくりして、答えもうつろだった。「そういえば、昼からのセミナーの打ち合わせがあり、少しばかり急いでいたかなァ」「環7の流れに乗って走っていただけだから、そんなスピードは出ていないはずなのに…。」もう一度あのシーンを思い出してみる。「目の前の信号が黄色になった。このまま突っ切っていこう、でも、安全のために止まろう。そう思ってあえて止まったんだっけ。赤の信号から青に変わって、下り坂、前方はガラガラ。前の車に追いつかなきゃ。」そうだ!それが原因でアクセル踏んだんだ。普段は混雑しているこの道も、日曜日だからすいていた。よく考えると納得できた。30数年間、車に乗ってきて初めてのスピード違反。これは真摯に受けとめよう。
◆私の疑問
赤いキップを切っている目の前のおまわりさんに私は質問した。30キロオーバーが納得いかなかったからだ。「すみません。環7は、制限速度は50q/hですよネ?」「いいえちがいますよ、40q/hです。」「えっ」私はびっくりした。東京で一番立体交叉が進み、片側3車線、最も交通環境の良い環7は、50q/hとばかり思っていた。我が家の近くの狭い道路でさえも40q/hがほとんどだ。確かに混雑することも多いが、環6や環8のように渋滞したら全く動かなくなることはなく、一番走り易い道路だ。毎日車で活動し、家庭訪問を続けて来た私にとって、信じられない結果だった。「標識も見ていなかったのか…」自省の思いもこめて、あらためて質問した。「すみません。いつもこの道路を走っていました。車の流れにのってみんな50q/h〜60q/hで走っています。私もその位のスピードで走っていました。この道路は一番走り易く、便利なのに、なぜ、40q/hなのでしょうか?その理由を教えて頂きたいのですが…」おまわりさんはキップを切りながら「私も知らないんですよ。交安(交通安全協会)が決めていることですから。私達は取締るだけなんで…。」私はびっくりした。物かげに隠れて機械を設置し、スピードの違反者を取締ること。これも必要なことだが、「何故40q/hなのか理由を知らない」でいいのだろうか。この幹線道路の制限速度が40q/hならば、そこには重大な理由があるにちがいないと素人なりに思う。もし重大な理由があるなら、そのことをもっと大きく、わかりやすいように、伝えたり注意を促すことの方が大事な業務なのではないのか。その方が筋が通っていないだろうか。 それ以後タクシーの運転手さんを始め、あらゆる人たちにその理由を聞いてまわったが誰一人その理由を明確に答えてくれる人はなかった。
◆出版記念パーティー 9月の半ば、「致知」という月刊誌の30周年記念パーティーに参加した。文字文化が消え去るのではないかといわれるほど、IT時代になり、急速に進化しつづけているインターネット。全ての情報は指一本で得られる時代になって多くの雑誌は雪崩(なだれ)のように廃刊に追い込まれているという。この雑誌は友人の言葉を借りると「ものすごい真面目な雑誌。人として生きる生き方を教えてくれる雑誌」だという。この堅い雑誌が脈々と30年間も続くということは信じ難いという。ところが30周年の記念パーティーには全国からの読者が溢れるばかりに集っていた。古人の生き方や考え方に学ぶ。現在活躍する様々な分野の人から知恵も授かる。その知恵を仲間で学び合い、シェアするといった地味なやり方だ。しかし「この本だから本物に会える」とも言える。東京を代表するホテルの広いホールでさえ身の置く場所もないほどの盛況に、「まだまだ日本の良心は残っている」と感じた。今年の夏を象徴するような稲光と豪雨の中帰宅したが、心は秋の空のようにさわやかだった。
◆自分で自分を守る
運転免許センターでの講習ではあらためて多くのことを学んだ。物影や交差点で人や車が「飛び出してこないだろう」ではなく「飛び出して来るかも知れない」と考えること。高速道路や首都高速では中央分離帯側の車線を走らない。(対面の道路から予期せぬ車が飛び込んでくることが多いという。)なるほど聞けば聞くほどその通りだと納得がいく。老教官は更にこんなことも教えてくれた。「日本では大地震が多い、いつ自分の身に起こるかわからない。ペットボトルの水のため置きや風呂の水は流さないこと。古い石油ストーブも残しておきなさい。貴重品袋もまとめておくこと。カンパンや懐中電灯やラジオなど小物もきちんと用意しましょう。家族が連絡を取り合う方法も必要です。“来ないだろう”ではなく“来るかも知れない”はこんなところにも生かされますよ。」と。
いかなる状況の中でもしっかり自分を見つめて、前もって予測し、その対応をする。制限速度が何q/hなのかにこだわるのではなく、ルールはきちんと守ればいいのだ。出版社の生き方とスピード違反からまた大事なことを学んだ。その日以後、私の車の運転には「大幅な変化が生まれたこと」を報告したい。
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